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 突発性難聴。
 特別な切っ掛けも無く、突然片耳が聞こえなくなる難病。原因は未だ不明で、主にストレスが強く絡んでいると言われる。
 
 

 今から一年ほど前。突然左耳が聞こえづらくなってきた。数日間酷い耳鳴りに悩まされたが、どうせ疲れが溜まっているのだろうと思い、深く考えずに放っておいた。仕事にかまけて毎日を過ごし、しつこい耳鳴りにも漸く慣れたと思った頃、慣れたのでは無く自分の左耳が聞こえなくなっている事に気付いた時は…もう全てが遅かった。
 左耳の聴力を失ってしまったが、右耳はまだ生きている。多少聞き取り辛くなったが、言葉も音もちゃんと聞こえるのでオレはそのまま無視し続けた。何より海馬コーポレーションの社長として表立ってデモンストレーションする身としては、目立つ補聴器など付けたく無かったし、モクバにも社員にも要らぬ心配は掛けさせたくないと思っていたのだ。
 そんな理由で何とも無いふりを続けていたのだが、恋人である城之内だけはオレの異変に気付いていたようだった。

「何かお前最近、耳遠くね?」

 事ある毎にそう言ってくる城之内に「気のせいだ」と何度も答える。城之内に難聴の事がバレてしまえば、必然的にモクバの耳にも入ってしまう。それだけはどうしても避けたかった。

「いや、話しかけても全く気付いて無い時とかあるだろ?」
「疲れているのだ。肩凝りが酷いと耳が聞こえづらくなる時があるからな」
「嘘吐け。お前肩凝りなんてしない癖に」
「なら、歳を取っただけだ」
「どこの老人だよ!! 早過ぎるだろ!!」

 ベッドの中でそんな会話をして、誤魔化すようにそう言ったオレはもう用は無いとばかりに城之内に背を向け、眠りの体勢に入ってしまう。そうすると何をしてもオレの反応が無くなるのを知っているから、城之内も諦めてくれるのだ。
 コイツを誤魔化し続けるのも無理があるのかもしれない。だからと言って真実を話す訳にもいかず、そのままズルズルと皆を騙したまま時が過ぎて行った。
 真実が露呈するのが怖くて病院にも行かずに、インターネット上だけで情報を調べてみる。すると幸いな事にこの病気は、大概が片耳だけで済むらしい。以前より多少聞こえづらくなったものの、右耳で普通に音を拾う事が出来る為に、オレはそれ以上の心配はしなかった。不便なのは、今まで右手でメモを取る為に左耳に当てていた受話器を右で取らなければならなくなった事くらいだが、それも慣れてしまえばどうって事は無い。肩と顎で受話器を挟んでメモを取ればいいだけだ。
 

 こうしてオレは普段通りの生活を続けていたのだが、どうしてこうなってしまったのだろうか…。
 まさか右耳までが同じような状態に陥るとは…流石のオレも思わなかったのだ。
 

 無事だった右耳にあの嫌な耳鳴りがする事に気付いたのは、秋が終わり寒い冬が遣って来た頃だった。
 こうなると流石に誤魔化しは利かなくて、城之内やモクバに仕方無く打ち明けたら、二人から同時に散々な説教を食らう嵌めになった。こういう事になると分かっていたから、言いたくなかったのだが…。
 だがこうなってしまったものは仕方が無いので、深く深く呆れたように溜息を吐いたモクバの指示によって、海馬コーポレーションの技術部に特製の補聴器を作って貰う事になった。あくまで秘密裏のプロジェクトだったから外に情報が漏れる心配も無く、しかも我が海馬コーポレーションが誇る最新技術だ。内耳の方に直接埋め込むタイプの、超小型で高性能なオレ専用の補聴器を作る事になった。これなら補聴器を付けていても外から見える事も無いし、普段通りの生活を送る事も出来る。
 ただ勿論すぐに出来ると言う訳では無いので、二〜三ヶ月は不便な生活を続けなければならない。こんな状態ではまともに仕事も出来ないので、自宅でメールの対応や企画書に目を通して認可するなど、地味な仕事ばかりをこなしていた。
 そして、そうこうしている内にも右耳の状態はどんどん悪化し、ついに殆ど何も聞こえなくなってしまったのだった。ただ医者に診て貰ったところ(城之内とモクバに無理矢理連れていかれた…)、両耳とも完全に聴力を失っている訳では無いらしいので、補聴器さえ付ければ元通りの生活が出来るらしい。これはオレにとっても、また周りの心配してくれている人達にとっても、非常にありがたい事だったと思っている。
 だからオレは、特に自分が『ろう者』だとは思っていなかった。音が聞こえないという不便な生活も、ほんの数ヶ月我慢すれば何とかなるだろうと高を括っていたのだが…。城之内はそんなオレに不満を持っていたらしい。

 

 

 今日も自室で静かに仕事をしていると、ドンドンドン…と廊下を乱暴に歩いてくる足の振動を感じた。オレは眺めていたPCのモニターから顔を上げ、目の前の扉をじっと見詰める。多分もうすぐ…あと数秒でこの扉が開かれる事を知っていたからだ。  案の定、振動が止まると同時に開かれた扉の向こうに城之内が立っているのを見て、オレは静かに嘆息する。城之内の顔に浮かぶ表情は決して不満気では無いが、いつもと変わらない決意が浮かんでいる事に気付いたからだった。

『よぉ、海馬!』

 口の形だけでそう言って(いや、実際には声は出ているのかもしれないが、今のオレには聞こえなかった)、城之内は満面の笑顔で手をヒラヒラと振ってみせる。そしてズカズカとオレの側に近寄って来て、ジーンズのポケットからメモ帳とペンを取り出してサラサラと何かを書き始めた。そして書き上がった文字をオレの前に見せつける。

『調子どう?』

 汚い字で書かれたそのメモに眉根を寄せて、オレも自分用のメモを取り出して返事を書く。

『別に。いつも通りだ』
『なんかふきげんそうなんだけど、どうした?』
『どうしたもこうしたも無い。貴様がしつこいだけだ』
『まーそう言うなよ。だまされたと思ってやってみな、手話。意外に面白いぜ?』

 また始まった…と思い、オレは頭を抱えて盛大に溜息を吐いてみせる。
 オレの両耳がほぼ聞こえなくなったと知った途端、奴はオレに手話の練習を進めて来た。しかし完全に聴力を失った訳でも無く、補聴器さえ出来れば通常の生活スタイルに戻る事も保証されている為、わざわざ手話を覚える意味も必要性も、オレには全く感じられなかったのだ。
 何も答えずに睨み付けていると、城之内はまたサラサラとメモを書き出してオレの目の前に掲げて見せる。

『こうやってわざわざメモに文字書いて会話するのも、めんどーくさいだろ? ぜってー手話の方が早いし便利だって』
『いらんと言っている!』
『そう言うなって。やってみたら意外とかんたんなんだぜ』
『しつこいぞ! 凡骨!!』

 鼻息も荒く苛つくままにメモに『凡骨』という字を殴り書いて見せつけると、城之内は少し困ったようにうっすらと微笑んだ。そして『か・い・ば』と口の形を大きく開けてオレの名を呼び、左の指でオレの事を指し示す。そして逆側の右の手で自分を指さし、次に左の手の項を右の掌で優しく撫で始めた。
 柔らかに…そして軽やかに動く掌の動きは、まるで風に舞う羽のようだ。その動きに見惚れていると、そんなオレの状態に気付いた城之内が嬉しそうにニッコリと微笑んでくる。如何にも満足気なその顔に苛ついて、オレはまたチッ…と舌打ちをしてしまうのだった。

 城之内がやっている謎の動きが手話だという事は分かる。手話を覚えるつもりが無いから、城之内が一体何を言いたいのかは分からないがな。ただ、城之内はオレと会う度にこの動きを繰り返した。

 何度も何度も…幸せそうな笑顔を浮かべながら。

 それだけしつこくやられれば、流石のオレもその意味が気になってくる。だが始めに「手話なんぞ覚える気は無い!」と宣言してしまった為、今からその意味を調べるのもまた悔しいのだ。しかも腹立たしい事に、城之内はそんなオレの気持ちなど完全に見通しているから始末に負えない。

『オレが何て言ってるのか、分からないのがくやしい? 意味知りたい?』

 ニヤニヤしながら見せつけられるメモに、オレは舌打ちしながら城之内の顔を思いっきりキツク睨み付ける。

『分かっているならさっさと教えろってのはナシだぜ?』

 返答すら読まれている。全く本気で腹が立つ…っ!

『知りたいのなら、ちゃんと自分で調べる事。勉強するならオレも付き合うぜ』
『誰が!』
『すなおじゃねーなー。ま、いっけど』

 そうメモに書いて城之内はオレの側から離れ、笑顔で手をヒラヒラさせながら部屋から出て行った。残されたのは非情に遣り切れない気持ちのオレと、嫌でも脳裏に再生される城之内の掌の動き。フワリフワリと優しく動くその手は、見ているだけでも心が温かくなっていく。その事に気付き非情に困惑して、オレは頭を抱えて項垂れた。
 一体どうすれば良いと言うのだろう。補聴器はあと数週間待てば出来上がってくる。そうすればオレはこの音の無い世界から解放されて、以前までと同じような生活を送る事が出来るようになるのだ。
 だがいくら海馬コーポレーションの技術力を結集して作った補聴器でも、やはり機械となれば万能では無いだろう。故障もあるだろうし、四六時中付けっぱなしという訳にもいくまい。補聴器を外してしまえば、オレの耳はまた聞こえなくなるのだ。

「っ………!!」

 ふとその時…突然音の無い世界が怖くなった。
 そう言えば暫く誰の声も聞いていない。モクバの声も磯野の声も、邸に常駐しているメイドの声も…何もかも聞いていない。皆が皆メモでオレに話しかけ、オレも文字でそれに答えているからだ。
 城之内の声だって同じように聞いていない筈だ。それなのに…どうしてなのだろうか。城之内の声は常に身近にあって、あの深くて優しい声がいつでも脳内で再生されているのだ。
 暫く考えて、その原因があの手話にあるんだという事を思い出す。
 他の人間と城之内との違いは、あの手話だ。城之内はオレに会う度にあの手話を残していく。優しく…オレを慈しむような微笑みを浮かべ、羽が舞い上がるようなあの手の動きを目の前で何度も披露するのだ。そしてその手話を見る度に、オレの頭の中に城之内の声が響いて来る。

(城之内………)

 優しい優しい城之内の手話。オレは本当は、もうあの手話の意味に気付いているのかもしれない。ただ…確信が持てないだけで。
 城之内が伝えてくるメッセージ。オレに対しての…きっとオレにだけにしか伝えられないメッセージ。そのメッセージをオレも彼に伝えてみたいと思うのは…オレが気弱になっているだけなのだろうか? それとも城之内に感化されてしまった結果なのだろうか?
 どんなに考えても答えは出て来ず、頭が混乱するばかりで分からない…。ただ、オレも城之内に『あの』言葉を伝えたいと思う事だけは…真実だと思った。

 

 

 数週間後。モクバが発注した海馬コーポレーション特製の超小型高性能の補聴器が出来上がってきた。当初はそれを内耳に直接埋め込む予定だったが、取り外しが簡単に出来た方が色々と便利だろうと言う事で、直接埋め込まずに奥の方に嵌め込むタイプにして貰った。こうすれば外からは補聴器を付けている事など分からない。
 少しずつ調整を掛けながら自分の聴力に合わせていって、やがて気が付くとオレは様々な音が渦巻く世界に戻っていた。

「兄サマ…。良かったね…!」

 涙ぐみながら喜んでくれるモクバに微笑みかけ、オレはこの場にいない恋人の事を想った。本当はこの場に同席したかったらしいのだが、どうしてもバイトが抜けられないというメールを寄越してそれっきりになっている。

「仕方が無い…。こちらから会いに行ってやるか」

 重い腰を上げ、久しぶりに一人で街を歩いてみる事にした。聴力を失った頃はまだ寒い冬の最中だったというのに、外はもうすっかり春になっている。暖かな風が吹き、桜の花が咲き誇り、道行く人々も浮き足だっているようだ。

 道路を走る車のエンジン音。ガードの上を通り過ぎる電車の車輪音。すれ違う人々の足音。公園で遊ぶ子供達の歓声。揺れるブランコの金属が軋む音。軒先に吊されている季節外れの風鈴。空き地にいる猫の鳴き声。歩行者信号の通りゃんせ。街角の大画面モニターに流れる流行曲。耳元を通り抜ける風の音。その風に吹かれて揺れる桜の花びらのザワザワとした音。

 この世界は様々な美しい音に溢れていた。健常者であった頃は、こんな事には気付きもしなかった。ただ通り過ぎている音達を、こんなにも美しいものだとは思わなかったのだ。
 色んな音を楽しみながら、軽い足取りで静かな住宅地の真ん中にある、城之内が働いているコンビニまで歩いて行く。目的地に辿り着くと、城之内が箒とちり取りを持って店先の掃除をしているのが目に入ってきた。地面に落ちている桜の花びらや紙くず等を綺麗に掃いて集めて…そしてオレの存在に気付く。

「海馬…っ!」

 途端に嬉しそうに駆け寄ってきた。奴が本当に犬であったなら、激しく尻尾が左右に振られているに違いない。

「海馬、どうした? 一人で来たのか?」

 城之内の言葉にコクリと頷いてやる。

「補聴器どうだった? 今日出来て来たんだろ?」
「………」
「上手く…いかなかったのか? それともまだ出来てないとか…?」
「………」
「えーっと…。あ、ちょっと待ってくれ。メモを…」

 慌ててコンビニの制服のポケットを探り出した城之内の手を掴み、オレはフルフルと首を横に振ってみせた。そしてその手を離し、左手で城之内の事を指さす。その状態のまま今度は右手で自分を指さし、その手を動かして右の掌で左手の甲をクルクルと撫でた。
 一連の動作を行なった後にニヤリと笑いながら城之内の顔を見れば、ぽかんと口を開けて呆けた顔をしたまま固まっている。そして暫くそのままの状態でオレの事をじっと見詰め、突然何かに気付いたようにハッとした表情を見せた。

「海馬…。お前…」

 震える声で呼ばれた名前に、フフンと鼻で笑ってみせる。

「こういう事だろう? 城之内」
「なっ………!! お、お前…っ!!」
「いくら海馬コーポレーション特製の高性能補聴器とは言え、機械に完璧は無いからな。せっかくだから手話も覚えておいたのだ」
「お…おまっ…おまっ…!! 手話覚えるつもりだったんなら、早くそう言えよな!! しかもちゃんと喋ってるし!!」
「あぁ。もう補聴器を付けているからな。流石海馬コーポレーションの技術力を結集して作らせた補聴器だ。すこぶる良好だぞ」
「補聴器付けてるんなら、最初からちゃんと返事しろよ! 心配しただろ!!」
「何をそんな大袈裟な…。少し驚かせたかっただけではないか」
「人が悪いぜ…ったく! オレが今までどんなに心配してきたと思っているんだよ…っ!! 今日の補聴器の事だって、合わなかったらどうしようとか、失敗作だったらどうしようとか、朝からずっと気になってたっつーのに!!」
「失礼な奴だな、お前は。海馬コーポレーションの技術力を疑うのか?」
「そういう意味じゃねーよ、馬鹿!! 自分がどんだけ愛されてるのか、知らねーのかって話だよ!!」

 大声でそう怒鳴った城之内は、そのまま俯いて全く動かなくなってしまった。顔は長く伸ばした金髪で影になっていて伺う事が出来ない。やがて…その前髪の向こうから、ポタリポタリと大粒の水滴が落ちて来る。

「じ…城之内…?」
「ちっきしょ…! ホント…どうしようも無い奴だよ、お前は…っ!」
「どうしようも無いとは…聞き捨てならないな」
「うっせーっ! もう何でもいいよ…。てか…あーくっそ!! お前の声、久しぶりに聞いた…! すっげー良い声だよ、ちきしょう!!」
「じょ………」
「メモしなくても話通じるもんな…! ちゃんと言葉で意志が通じるもんな…! オレの言葉もちゃんと聞こえているんだもんな…! なぁ…そうだろ? 海馬!!」

 そう言って視線を上げた城之内の顔は、涙と鼻水でグシャグシャになっていて酷い状態になっていた。だがその顔を…オレは好きだと思ってしまった。こんな格好いい城之内の顔を初めて見たと…そう思ってしまったのだ。
 ボロボロと流れ落ちる涙を袖口でグシグシ拭いながら、城之内は涙声で言葉を放つ。

「でもな、海馬…。さっきお前がやってくれた手話は、どんな言葉よりも深くオレの胸に届いたんだぜ」
「城之内…」
「ありがとな。本当にありがと。凄く嬉しかったよ。それから…」

 少し離れていた距離が急速に縮まって、気付いたらオレは城之内に抱き締められていた。強く強く…熱い腕がオレの身体に絡みつく。その腕の強さが愛しくて、オレも城之内の背に腕を回して強く抱き締め返した。
 ここが住宅地の真ん中で、しかもコンビニの店先だという事も忘れて、いつまでも強く抱き締め合う。やがてオレの耳元で鼻をスン…と鳴らした城之内は、至極優しい声でこう囁いた。

「良かったな…。本当に良かったな、海馬」
「あぁ………」
「オレもこれで安心だよ」
「心配掛けて…済まなかったな」
「いいよもう…。これから先も困難な事があるかもしれないけど…一緒に頑張って行こうな」
「あぁ、勿論だ」
「もう一人で無理したりするなよ」
「分かっている。流石にもう懲りた」
「それからな…」
「………?」
「オレも…お前の事を愛してるよ…」
「分かっている。オレもだ」
「うん…。さっき教えて貰った」
「お前のは些か安売りし過ぎだったがな」
「そう言うなよ。そんだけお前の事を愛してるって事なんだぜ」

 顔を見合わせ、クスリと笑い合って、城之内が痺れを切らしたコンビニの店長に怒られるまで暫くずっといちゃついていた。
 その後一旦別れて、夜になって仕事を終えた城之内が邸を尋ねて来たが、怒られはしたものの何とかクビにならずに済んだらしいという報告を受けた。「理由を話したら納得してくれた」とケラケラ笑いながら言っていたが、城之内が言う『理由』が一体どんなものなのかが至極気になるので、後でしっかり問いただそうと思う。

 

 

 その後、オレ専用のその補聴器は故障する事も無く、今日も鮮明に周囲の音を拾ってくれている。けれどオレと城之内の間では、時々手話だけで会話する事があった。ヒラリヒラリと空気中に漂う羽のように優しい手の動きは、愛を語るには丁度良いのだ。
 だから今日も城之内はオレに対して、オレも城之内に対して、あの優しくて愛しい手話を与え合うのだ。
 

『私は貴方を愛しています』
 

 ………とな。
 

-- END --