Act0 Love dog

「貴様はまるで犬のようだな。しかもかなり躾のなってない馬鹿犬だ」
「……お前、犬が好きなのか?」
「何故そうなる」
「いや、城之内の事も犬呼ばわりしているから、好きなのかと思って」
「好きじゃないわ!犬のようだと馬鹿にしているのだ!」
「馬鹿だな、犬は動物の中でも賢い方だろう。主人には絶対だしな。そうか。お前はオレの事をそう見ているのだな」
「な、何をにやけている」
「いいだろう、瀬人。オレを犬と呼べ!」
「訳が分からんわ!妙な事を言って悦に浸るな!」
「あぁ、首輪は要らないぞ。そんなことをしなくてもオレはお前の傍を離れない」
「き、気色悪いわ貴様ァ!」
「愛情表現は頻繁にしてくれないと忠誠心が下がるからな。肝に銘じて置けよ」
「ちょ、傍に寄るな!」
「とりあえず舐めてやろう。忠誠の証にな」
「ひっ!か、顔を舐めるなっ、やめっ……!」
「顔と言わず全身を舐めてやるから大人しくしていろ『ご主人様』」
「そんな言葉何処で覚えた!……んぐっ!」
「主人の振る舞いがなってないな。こういう時には頭を撫でるんだろうが」
「……くっ、前言撤回だ。……今の言葉は忘れろっ!」
「今更遅いな。当分これで遊ばせて貰う」
「遊ぶな!馬鹿が!」
「尻尾がないのが残念だ。どれほどオレが喜んでいるか見せ付けてやれるのに」
「ふ、ふざけるなッ!重い、退け!馬鹿犬!!」
「愛犬に対してそのような態度は良くないぞ、瀬人。噛んでやる」
「いっ!……んあっ!……あ!……んっ!」
 

 ……こんなシチュから始まる7つのお話です。始まり始まり〜。