Eden Act3

 それからどれ位の時間が経ったのか。完全な沈黙に満たされた時ほど長く感じるものはないと、ジュリアスは思った。俯いたままじっと動かない彼の顔を長い髪が覆い隠し、今どのような表情をしているかそれを見下ろすジュリアスからは見えなかった。ただ、微かに震える両の肩で彼が何かを懸命に堪えているという事だけは見て取れる。悲しみなのか、それとも怒りなのか、その内面は彼以外には知り得ない。

「…………クラヴィス」

 先程とは違う些か落ち着きを取り戻した声で名を呼ぶ。上から見下ろしていたその姿を、自身が膝をつく事によってより間近に感じながら、堅く引き結ばれた口元をただじっと見つめていた。

「医学はもっと万能なものかと思っていた。なんの苦しみも悲しみもなく、そなたを死の呪縛から解き放つ事が出来ると信じていた。けれど、今の技術ではそんなものはただの夢でしかない」

 そう。誰よりも医学の力を、そして自分の力を信じていたのはジュリアス自身。十五年前に交わしたあの約束は必ず守れると確信していた。確かに、このままクラヴィスが生き延びれば約束は完了する。けれどそれは決して二人が望んだ形ではない。

 沈黙が、胸に痛い。
 何でもいいからこの止まった時を動かしたくて、更なる言葉を紡ごうとしたその時だった。

「私は……」
「分かっている」
「何?」
「……分かっている。お前がどれだけこの研究に打ち込んできたのかを。……全て、私の為だったという事も」

 それまで表情を隠すように下を向いたまま動かなかった彼の顔が持ち上がる。泣いているのかと思ったその表情は苦しみに歪んではいたものの、澄んだ瞳は潤みもせず、真っ直ぐにジュリアスの瞳を射抜いていた。

「分かっているのなら!……分かっているのなら、生きて欲しいというこの気持ちも理解出来るだろう!」
「記憶を無くしてしまったら、私は私でなくなってしまう!」
「違う!生きている限り、そなたはクラヴィスだ!何も変わりはしない!」
「それはお前の勝手な言い分だ!それでは死んでいるのと変わりがない!生きている意味がないじゃないか!」
「─── っ!」

 瞬間、クラヴィスの白い頬が乾いた音を立てた。同時に膝に抱えられていたファイルが鈍い衝撃音と共に床に落ちる。中の留め金が外れ、白い紙の束が床に飛び散った。かさり、と折り重なったそれらが崩れる音がする。感情のままに振り上げ、そして口を封じるが如く叩き付けてしまったジュリアスの右の掌は、未だ憤りを隠せないように空に留まったまま堅く握り締められた。

 その場所から感じる痛み。眼前で痛々しく朱に染まる彼の頬から目を離さずに、ジュリアスはただ遣り切れない思いだけを胸に抱く。彼の気持ちが分からないからじゃない。分かっているからこそ、尚更どうすればいいか分からなかった。今この瞬間も時間は容赦なく流れていく。迷っている暇も、迷わせている暇もない。そして、残された選択肢も一つしかなかった。

「………………………………」

 打たれた頬に手を添える事もせず、それ以上言う事もないと頑なに口を閉ざしてしまったクラヴィスに手を伸ばそうとして戸惑われる。これ以上、この場で何を言っても受け入れては貰えないだろう。そして自分も彼に何を言われたところで意見を変える気はなかった。何度でも同じ言葉を繰り返すしか、能がない。

 たった今この場に響いたクラヴィスの言葉が耳に痛い。

 例え記憶を失っても生きて欲しいと願うこの気持ちは、確かに自分の勝手な言い分に過ぎなかった。自分にとっては彼はクラヴィスには違いなかったが、彼にとっては記憶の無い自分自身などもはや他人同然だろう。これからの明るい未来も健常な身体を手に入れる事によって得られる幸福も、今の彼には与えられはしないのだ。

 今ここに存在するクラヴィスは過去を抱えて消えなければならない。決して幸せとはいえない過去だけれど、それは何にも変えがたいほどの大切なものなのだろう。ジュリアスにとってもそれは同じ事だった。

 それでも、生きていて欲しかった。

 例え自己満足だと言われようと、本人の意思を踏み躙ると言われようと、それだけは譲れない。譲るわけには、いかなかった。

「……クラヴィス。聞いてくれ」

 沈黙を打破するように、ジュリアスが静かに口を開いた。床に膝をついて座り込んでいた体勢からゆっくりと身を起こし、緩慢な動作で立ち上がる。散乱している白い紙一つ一つを拾い集めながら、未だ身動き一つしないクラヴィスの姿を垣間見ながら、ジュリアスは決して口にしたくは無かった一言を吐き出した。

「この新薬は、まだ完成ではない。最後の課題として臨床研究による具体的な報告が不可欠でな、その報告を元に正式な薬として認可を受ける」
「……………………」
「それには、被験者が必要なのだ。実際に新薬を使用し、その結果病原体が死滅するかどうかのデータを採取する為の」

 床に残る最後の一枚に手をかける。それは、くしくも被験者本人の署名が必要な正式な申請書だった。たった数行の文字が書かれたその紙が数多の運命を左右する。それを静かに見つめた後、ジュリアスは何かを決意するようにゆっくりとクラヴィスの方へを向き直った。彼は先程までの頑なな態度を少し改め、ジュリアスの話に耳を傾けているのか僅かに顔を上げてこちらを見ている。その顔を真っ直ぐに見据えながら、ジュリアスは最後の一言を口にする。

「その、ドナーに……クラヴィス、そなたを申請したい。これは幼馴染としてではなく、研究者として頼みたいのだ。……リックや、他のLucifer患者を救う為にも……協力しては貰えぬだろうか」

 卑怯だという事は自覚していた。そう口にする事によって彼に逃げ場が無くなる事も、逃げる気すら失わせる事も。クラヴィスはジュリアスの言葉にただ軽く眉を顰める事しかしなかった。その他に反応の仕様がなかったのかも知れない。

 再び俯こうとするその顔をジュリアスはそれ以上見ている事も出来ずに、踵を返してその部屋を後にした。
 クラヴィスの部屋を出て暫く、人気のない閑散とした回廊を只管歩いていたジュリアスは、その途中目の前に現れた外へと続くテラスを見つけ、吸い寄せられるように足を向けていた。回廊の薄暗がりから出た目には柔らかな光が降り注ぐ外の景色は酷く眩しく目に映る。頭上にはほんの少し前、あの庭園の片隅で眺めていた空と同じ青。何も変わらない、美しい風景だった。

 不意に未だ疼く様な痛みを齎す右手を持ち上げ、握り締めたままだった指先を緩やかに解いていく。少しだけ赤みが残る掌をじっと見つめ、後悔の溜息を吐いた。幾ら感情が高ぶった故の衝動だとしても、言葉を封じる為に手を上げるなど決してしてはならない事だった。暗闇の中で突然訪れた衝撃にクラヴィスは何を思っただろう。

 理不尽な話だという事は嫌と言う程分かっていた。自分自身到底納得の出来ないものを他人に言って聞かせる事の難しさ。クラヴィスなら分かってくれるだろう、そんな甘さも確かにあった。けれど幾ら人より物事に対する理解が秀でていようとも、感情だけはどうにもならない。その生と引き換えに、それと同じ位大切なものを失う事への恐怖、不安……そして絶望。

 それを乗り越えて生きて欲しいと言うのはクラヴィスの願いではなく、自分の願いだった。死を何よりも恐れていたのは自分自身。失いたくない、ただそれだけの為に彼の心も体も傷つけた。今更ながら自己嫌悪に胸が悪くなる思いだった。

 知らず右手で胸元を握り締め、柔らかな光から逃れるように顔を伏せる。眩い空から自分の体が影となって映る床へ目を向けた瞬間、その視界に入ってきたのは分厚いファイルを持つ己の手。白い手首に鈍く輝くデジタル時計が緩やかに秒を刻んでいるのを凝視し、ジュリアスは思わず目を見張った。

 一秒、また一秒と時間は確実に流れていく。音もなく変わる数値を眺めながらジュリアスは徐に俯けた顔を持ち上げた。もう、時間がない。カウントダウンは始まっているのだ。立ち止まっている場合ではない……急がなければ。そう思い、苦い気持ちを押し込めて光の世界から薄暗がりの回廊へと戻ろうとしたその時だった。

「ジュリアス!お前、こんな所にいたのか。探したんだぞ!」

 不意に思わぬ方向から名を呼ばれ、振り返る前に肩を掴まれた。意外に力強いその衝撃にジュリアスは思わず持っていたファイルを取り落としてしまう。白い石で出来た床に弾ける様な音をたてて落ちたそれを意識するより早く、名を呼んだ人物は罰の悪そうな顔をしつつもジュリアスの前へと回り込み、慌てたように口を開いた。

「昨日申請した新薬について、審査管理課が話を聞きたいと研究棟に来ているんだ。急いで来てくれないか?」
「……何?」
「何でも許可をするなら今年中に、という事らしい。政府のお偉い方は貴重な年末をフイにするような事はしないのさ。……あ、それとさっき聞いた話なんだが、ドナー登録申請は明日の午前中迄だそうだ。早めに選んで書類を提出するようにと主任が言ってたぞ。そっちの方も頼むよ」
「……………。ああ、わかった」
「とにかく、そういう事だから急いでくれよ。俺は他の連中も呼びに言って来るから」

 言うが早いが唐突に現れた彼は姿を現した時と同様の素早さでくるりと踵を返して走って行く。少し忙しない足音が回廊の奥に吸い込まれて行くのを聞きながら、ジュリアスは慢な動作で取り落としてしまったファイルを拾い上げた。

「……明日の午前中まで、か」

 落とした所為で少しはみ出てしまった数種の書類を抜き取って整えながら、ぽつりとそう呟く。溜息混じりにファイルを開き一番上にそれらを重ねようとしたその時、ふとそこにあるべき一枚の紙が存在しない事に気がついた。それはクラヴィスの署名が必要な、あのドナー登録の申請書だった。彼の部屋で同じようにこのファイルを落とした時に、拾い忘れてしまったのだろう。

「………………」

 一瞬、取りに行くかどうか迷い、歩き出す方向を決めかねて足を止める。しかしその足はクラヴィスの部屋ではなく研究棟の方へと一歩踏み出し、そのまま歩き始めてしまった。どうせクラヴィスの元へは行かなければならないし、今すぐに必要な書類ではない。わざわざ相手を待たせてまで取りに行く道理はなかったし、未だ気持ちの整理の付かないまま彼の元へ再び顔を出す事も躊躇われた。

 硬質な足音が回廊に響いては消えていく。研究棟までの道のりは、酷く遠く感じられた。
「リック、ナースセンターからとっても美味い菓子を貰ってきたぞ。食べるだろ」
「あ、カティス先生おはよー。今日はちょっと遅かったじゃん。何かあったの?」
「いや?遅いっていってもまだ昼前じゃないか。いつも通りだぞ。それよりほら、零さないで食べるんだぞ」
「サンキュー。あ、手作りクッキーだ。これ、先生に特別にくれたもんじゃないの?」
「何生意気言ってるんだ。残念だがそれはお前にって貰ってきたんだよ」
「ちぇ。つまんないの。まあいいや。いただきまーす」

 淡いブルーのペーパーで可愛らしくラッピングされたそれをベッドの上に壮大に広げて喜ぶリックの姿を眺めながら、カティスは近間にある小さな置時計に目をやった。庭園でジュリアスと別れてから時刻はそろそろ正午になる。彼らの話し合いはとうに終了しているはずだった。

 様子を知りたいと思ってはいたものの、カティスの方でも何かと雑事が立て込んでいて、結局こんな時刻になるまで病棟には近寄れなかった。とりあえず医師が常駐する医師棟から直接繋がっているこの階まではやってきたものの、階下のクラヴィスの元へは足を向けていない。今朝のジュリアスの様子を考えると、なんとなく行きにくい感じがしたからだ。

「それにしても、今日はなんか変なの。ジュリアス先生も朝からオレを追い出してクラヴィスと何か話があるっていってたし、カティス先生は遅刻するし」
「おい、俺は遅刻じゃないっていってるだろ。幾ら昼に近くても午前中は午前中だ」
「いっつも十時前には来るくせに。……そういえばジュリアス先生との話、終わったかなぁ?さっきエナがジュリアス先生の姿を見たって言うからきっと終わってるよね?」
「……さあ、どうだろうな」
「終わってるならオレ、クラヴィスんとこ行きたいんだけど。暇してたから勉強は終わっちゃったしさ。いいでしょ、カティス先生?」

 いつの間にかリックの前に広げられていたクッキーは一枚残らず無くなっていた。彼は至極満足そうにぺろりと舌先で口の端についた粉を舐めとってしまうと、小さな手でペーパーを丸めて側にあった屑篭に投げ捨てた。そして先程の返答を待つ前に勢い良くベッドから飛び降りると、立ち尽くすカティスの横をすり抜けて扉の方へと歩んで行く。

「先生はどうする?」

 背伸びをして取っ手に手をかけながらリックは顔だけカティスの方を向いてそう問いかけてくる。その声にぼんやりとした視線で答えながら、カティスは小さな声で口を開いた。

「ああ、俺も直ぐに行くよ。先に行っててくれ」
「うん、わかった。今日は一緒にお昼食べる?」
「いや今日は……ちょっと忙しいからな。顔だけみたら直ぐに行かなきゃならないんだ」
「ふーん。まあいいや。じゃあ、早くね」

 そんな声と共に扉を閉めもせずに出て行ってしまう小さな後姿を目で追いながら、カティスはゆっくりと詰まりそうだった息を吐き出した。彼らの間にどんな話し合いが行われたか推測しか出来ないが、あの様子では和やかにとは行かないだろう。そんな余り良くない想像しか脳裏に浮かばず、内心なんだか気が重くなってくる。

 今の二人にどういう言葉をかけてやるのが一番正しいか、カティスには分からなかった。自分自身昨夜突然齎された希望と絶望がない混ぜになった情報を未だ飲み込めていない部分もある。そんな状態でアドバイスなど出来るはずもないのだ。何も出来ない歯痒さに知らず唇を噛み締める。

 それでも彼らをずっと見つめて来た立場上、これからも見守らなければならない責任が自分にある事はわかっていた。どんな事になろうとも目を反らさずに最後まで彼らの側にいてやる事が今の自分に出来る唯一の事だった。

 踵を返し、開け放しにされた扉へと歩んでいく。階段を駆け下りる小さな足音が嫌に大きく耳に響いた。
 トントンと軽いノックを二回。それがいつもこの部屋にリックが訪れた事を示す合い言葉のようなものだった。常に無愛想に立ちはだかる白い扉をなんなく開けると、隙間から体を滑りこませる。自分とは違い、この部屋の主は余り外の喧騒を好まない事を知っているリックは、室内に入ると直ぐに開け放した扉を閉ざし、いつも彼がいる場所へと目を向けた。

 病室とは思えない程広くモダンな雰囲気を漂わせるその部屋には簡素なソファーセットと物書き用の机、些か大きな本棚、そして不可欠である寝台が静かに鎮座していた。常ならば部屋の主は部屋中央にあるソファーに腰掛けて出迎えてくれるはずなのに、今その場所に彼の姿は見当たらなかった。

「………………?」

 不思議に思いぐるりと視線を巡らせてみる。すると、庭園に面した柔らかな光が差し込む窓際に微かに揺れる影を見つけた。その影を追うように足音を忍ばせてそこへと近づいてみると案の定窓辺に腰掛けるクラヴィスの姿があった。しかし、その様子はいつもの……いや、今朝も会った筈の彼とは大分違っていた。

 常に自分が扉を開ける前に来訪に気づき直ぐにこちらに向けてくれる筈の顔は硝子窓へと向いたまま微動だにしなかった。窓辺の壁に背を預け、見えない眼を外に向けているその姿はリックが知るクラヴィスとはかけ離れていて、いつもの様にその体に体当たりし、無邪気な声で名を呼ぶ事を戸惑わせた。

「……クラヴィス?」

 それでも、小さく名を呼んでみる。自分が声をかける事によって普段の彼に戻るのではないか、そう思った。けれど、その声にも反応すらしない。何かがおかしい、そう思いそっと側まで寄ってみる。殆ど至近距離にまで近づいて、下からその顔を見上げてみても彼は何も言わなかった。硬く引き結ばれた唇と瞬きを忘れているのではと思えるほど動きのない瞳に不安を感じたリックは、意を決して膝に置かれたままだった彼の白い手に、自分の手を触れ合わせた。

「…………!」

 瞬間、びくりと驚いたようにその手が動き、ゆっくりと窓に向けられていた顔がこちらを見る。漸く自身の存在に気づいて貰えた嬉しさと漠然と感じた不安を払拭できた安堵に、リックは満面の笑みを湛えながら、改めて彼の名を口にした。

「クラヴィス!」
「……リック?」
「そうだよ。気づかなかった?こんな所に座って何してんのさ。ジュリアス先生との話は終わったんだ?」
「……話?……ああ、先ほどの事か……」

 溜息混じりの声で突然訪れた来訪者に答えながらクラヴィスは内心驚きを隠せずにいた。ジュリアスが部屋を出て暫く、自分が何をしていたかよく覚えていない。今部屋の何処にいるのかすら現時点では良くわからなかった。手に触れる小さな指先が常よりもきつく握り締めてくるのを不思議に思いながらクラヴィスはこの手の主がいつこの部屋に来たのだろうと、そんな事をぼんやりと考えていた。それほどまでに先ほどのジュリアスの言葉はクラヴィスに衝撃を齎したのだ。

「……クラヴィス!」

 不意にこちらの反応がないまま一方的に話を続けていたリックが強い声で己を呼ぶ。同時に、手に触れていた彼の指がそっと左の頬へと触れてきた。冷たい頬に暖かな指先が触れるその感触に何故か急に胸が苦しくなる。

「ここ、赤くなってるよ?どうかしたの?」

  

 ── 記憶を。今までそなたの中に蓄積された記録を全て食い尽くす。それを糧として抗体を作り出すのだ。

 ── ……リックや、他のLucifer患者を救う為にも……協力してはもらえぬだろうか。

  

「……………………!」

 ドクン、と心臓が脈打つ音がした。

 頬に触れる小さなこの手の温もり。自分が決断をしなければこの温もりは永遠に失われてしまう。目の前にいるこの少年だけではない、いつ事切れるとも知れない沢山の命が消えてしまうかも知れないのだ。

「……私は……」

 それだけを呟いて、クラヴィスは知らず眼の前にいる小さな体を抱き締めた。それはまるで何かに縋る様な仕草だった。驚いて身じろぎ一つ出来ないリックが小さく息を飲む音が聞こえる。

 けれどその腕を解く事は、思い付きもしなかった。